気づけば、フィットネス業界に身を置いた日から30年が経ちました。

大手フィットネスクラブ在籍時には、フロント業務・トレーナー業務からスタートし、その後は本社勤務として全店舗を統括。マーケティング戦略や新規出店開発など、経営戦略にも深く携わりました。独立後はフリーランスのパーソナルトレーナーとして活動を開始。

当初はダイエットやボディメイクを中心に指導していましたが、自身の年齢を重ねるにつれ、生活習慣病予防や更年期ケアといった「健康寿命の延伸」「QOL(生活の質)の向上」を目的としたトレーニングへと指導の方向性を転換しました。さらに、糖尿病の寛解をサポートするための運動指導など、医療現場と連携した取り組みも行い、フィットネスの枠を超えた“医療と運動の融合”にも挑戦してまいりました。

フィットネス業界、特にパーソナルトレーナーという職業は、「若さ」「エネルギー」が重視される風潮があります。
しかし、私は年齢を重ねてもなお、現役として最前線で活動し続ける姿を通して、「トレーナーは生涯現役でいられる職業」であることを、次の世代に伝えたいと強く願っています。

実際、私と同世代の多くは、年齢とともに現場を離れたり、経営側へシフトする者も少なくありません。中には「自分の居場所を見失い、業界を去る」方々も多く見てきました。だからこそ、私は思うのです。私たちの世代が安定に甘んじて留まるのではなく、次のステージに挑戦し続けることこそが、後輩たちの道標となるのではないかと。

私たちが背中で示せば、若い世代はきっと未来を恐れず進んでいける。そう信じて、今もなお挑戦を続けています。

業界や次世代のトレーナーの皆さんには、

「年齢に関係なく挑戦し続けることの尊さ」
「経験が誰かの希望となる瞬間があること」

その両方を、少しでも感じ取っていただけていたら幸いです。

これからも私は、人生100年時代における“真のウェルネス”を追求しながら、挑戦する姿で後輩たちに夢と希望を与えられるような存在になりたいと思っています。

 

Text  /  齊藤 海之(S2 Medical Workout)