コロナ感染と生活習慣病に関連した興味ある記事が、2023年2月14日「JAMA Network Open(*1)」に掲載されていましたので、今回、皆様に御紹介いたします。
米シダーズ サイナイ 医療センターから、2万3,709人を対象に実施したコホート調査の研究報告が掲載されていました。
原文は下記のリンクから、ご覧いただけます。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2801415
内容を簡単に要約しますと、米シダーズ サイナイ 医療センターSmidt心臓研究所から、新型コロナ感染後の糖尿病リスクとして、「感染後の糖尿病発症率は、2.35倍に上昇している」とのメタ分析結果が発表されました。
更に、「予防接種を受けた患者よりも、接種を受けていない患者の方が、発症率が高い」との事で、予防接種の利点が、あらためて示唆された内容です。感染後のオッズ比がもっとも高かったのは、糖尿病の2.35倍、続いて、高血圧1.54倍、脂質異常症1.22倍という結果で、コロナ感染によって、生活習慣病のリスクが高まる結果が出ています。感染後の糖尿病リスクに寄与するメカニズムは、不明のままですが、「インスリン抵抗性に寄与する持続的な炎症が経路として考えられる」と記述され、今後の発表にも注目して行きたいと思います。
また、新しい情報が公開されましたら、皆様に逸早くお伝えしていきます。
(*1) 「JAMA Network Open」は、米国医師会が発行する、生物医科学のあらゆる側面をカバーする月刊のオープンアクセス医学雑誌です。
Text / 齊藤 海之(S2 Medical Workout)