今回は、S2Medical Workoutのクライアント様にも実践して頂いている『食事前の高カカオチョコレート摂取の効果』についてお伝えします。

高カカオチョコレートとは、普通のチョコレートよりもカカオ含有量が多く、カカオ量が70%以上になるチョコレートのことです。

普通のチョコレートは、カカオ量が30~40%程度で砂糖やミルクの割合が多いのですが、高カカオチョコレートは、砂糖やミルクの量が少なくカカオ量が多いので普通のチョコレートより血糖値が上がりにくいのが特徴です。高カカオチョコレートは、GI値55以下の低GI値食品となっているので、実は、糖尿病の方にもお勧めな食品です。また、低GI値以外にもカカオに含まれるカカオポリフェノールの抗酸化作用により、以下の効果が期待できます。

  • 血圧低下
  • 血管を広げる
  • 動脈硬化の予防
  • 腸内環境改善  etc

ここで、GI値について少し深掘りしてみます。

GI(ジーアイ)値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値の上昇を示す指数です。

食品によって、食後の血糖値の上昇度合いが違い、これらは、大きく3つに分類されています。

*高GI値食品:70以上

*中GI値食品:56〜69

*低GI値食品:55以下

GI値が高い食品を食べると血糖値は急上昇し、GI値が低い食品を食べた時は、ゆっくりと吸収が進むので、血糖値も緩やかに上昇します。

GI値が高い食品を食べて急激に血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが多く分泌されます。このインスリンは、血糖値を下げる働きの他に脂肪の燃焼をストップさせたり、脂肪を蓄える働きをする為に、肥満の原因にもなります。一方で、GI値が低い食品は、血糖値は緩やかに上昇する為、身体への負担も少なく、インスリンは分泌されにくくなります。

このGI値は、トップアスリート達にも減量期の体重管理や、集中力アップを目的として、大いに活用されています。また彼らは、日々の食事カロリー摂取量だけでなく、食事の詳細なメニュー、食べた順番までも記録しています。高GI値の食品を最初から食べる事で起こる「血糖値の乱高下」は、肥満の原因だけでなく、血管への負担も大きくなり、生活習慣病の一因となる可能性もあります。その為、低GI値食品から、順番に食事をとる事で、血糖コントロールを行い、最高のパフォーマンスを発揮する事につなげているのです。

さて、話を高カカオチョコレートへ戻します。

今回のテーマである『食事前の高カカオチョコレート摂取の効果』についてですが、血糖値の改善に良いと思われる食べ方は、高カカオチョコレートを、朝昼夕の食事の前と食事の間に小袋1枚(5g)を食べることです。ポリフェノールは水溶性で、水に溶ける性質を持っている為、たくさん食べても、身体から出ていってしまいます。一気にたくさん食べるのではなく、数回に分けて食べる事が効果を期待できる食べ方です。健康に良いとされている高カカオチョコレートですが、やはり食べ過ぎには注意が必要です。カカオを多く含む高カカオチョコレートは脂質も多く、摂りすぎるとカロリーオーバーになり肥満の原因になります。

1日に食べても良いとされる目安は、エネルギーで200kcal、糖質で10gです。

チョコレートによってエネルギーや糖質の量は変わりますが、

例えば明治のチョコレートだと以下のようになっていますので、参考にしてください。

  • カカオ72%   (小袋1枚当たり)エネルギー28kcal 糖質1.6g
  • カカオ86%(小袋1枚当たり)エネルギー29kcal 糖質1.0g
  • カカオ95%(小袋1枚当たり)エネルギー31kcal 糖質0.6g

また、糖尿病の方が高カカオチョコレートを食べることによって、血糖値に改善があったとの調査報告があります。

糖尿病を診断する指標の1つであるHbA1cが、低下傾向だったという調査結果です。

参考:Cocoa, glucose tolerance, and insulin signaling: cardiometabolic protection – PubMed

参考:Chocolate consumption and risk of diabetes mellitus in the Physicians’ Health Study | Oxford Academic

更に、インスリンの働きを改善することが期待できる、という調査結果もあります。なぜなら、カカオポリフェノールには、糖質の吸収を緩やかにする食物繊維が豊富に含まれているからです。某チョコレートブランドには、キャベツと同じGI値26という高カカオチョコレートもあるようです!

最後に、

高カカオチョコレートは、糖尿病の改善や健康な食生活に良いという事を今回ご紹介しました。糖尿病になると我慢をしないといけない事が多いかと思いますが、

チョコレートを食べられることは癒しになるかと思います。1日5枚程度を目安に、健康なチョコレート生活を目指しましょう。

Text  /  齊藤 海之(S2 Medical Workout)